当菜園は緑肥による土作りを通じて生物多様性に富んだ菜園作りを試行している。だから出来る限り化成肥料も使わないし、動物性堆肥も使わないようにしている。酸度調整の石灰も有機石灰を使用することとしているし、肥料も有機100%肥料だし、堆肥は内製している。
菜園には一年を通じて緑肥が栽培されており、現在では菜園の市道側にクリムソンクローバー。春夏野菜専用エリアにはエン麦とヘアリーベッチが育っている。
このようなスタイルの圃場なもんだからバッタやクモなどの小動物が多く存在している。むろんいわゆる野菜にとっての害虫も多くいるに違いない。
虫除けネットにしがみつくバッタ。彼は何を考えているのだろう?
当菜園にはクモが多く存在している。なんかの資料でクモが多い圃場は豊かな畑だとかいう記事を見たことがある。彼らはハンターだからアブラムシを始めとする害虫をやっつけるのだ、と。生物多様性を豊かにしたいと考えているのでそれはそれでよいのだけれど、この小さいクモが害虫たちを補食しているとは思えない。だって小さいんだから。まぁ、そんなクモも体の大きいイモムシたちをばくばく食べるのかもしれないが、もしそうだとしたらクモには頑張ってもらいたいな。なぜって、最近ヨトウムシの発見率が高いから(笑)
これは苗から定植したハクサイだ。結球が始まった。ハクサイは必ずヨトウムシが引っ付くのでチェックを頻繁にしているのだが、発見が遅れてしまい、ヨトウムシごと処分した株が出てしまった。やれやれ、クモさん、頑張れよ。
さらに先日、このような株も発見した。
なにやら成長点が怪しい株があった。これは何かいるに違いない。確認するとフンが小さく、サイズの小さいヨトウムシが潜んでいるのではないかと考えた。いろいろ探してみたら、そいつは現れた。
いた!
ピンセットで摘むと観念したらしく大人しくなってしまった。ヨトウムシは虫専用エリアに放り込まれた。
このように飽くなき害虫との戦いは始まったばかりだが、今後気温が下がってくるので活動のピークは過ぎつつある。頼むからハクサイではなく、虫専用エリアに現れてほしいと願うばかりだ。
さすがにクモもこんな大きいヨトウムシは食べられないのではないかと思う。
生物多様性が豊かな圃場とは害虫が少ない圃場ではなく、捕食者と被捕食者のバランスがとれた圃場のことをいうのだろう。そういう意味では当菜園はまだまだ生物多様性が豊かだとは言えないのかもしれない。