「たかだか1票入れても何も変わらないじゃん」
「そうだよ。だから選挙なんか行かねー」
「そーだよなー」
***
「今年二十歳になった。初めての選挙だ。将来を良く考えて投票しよう」
「日本の政治はダメだ、ダメだ言うけれど、貴重な選挙権だから選挙に行こう」
「選挙で投票しなければ何も始まらない」
***
「どうして高齢者優遇の政策ばかり主張するんだ?」
「子育て支援って言ったって、口先ばかりだ」
「TPP反対だと? こんなんだから日本の農業はダメなんだ」
「TPP賛成だと? ますます日本の農業はダメになる」
「集団的自衛権? 自分が戦場に行くようなことがあれば選挙に行くよ」
「国家機密保護法? 知らん」
***
「自民党に入れる? 消去法だよ」
「もうあの民主党政権時代の三年間はこりごりだ。だから民主に入れない」
「時代は共産党だな」
「維新の党は期待はずれだ」
「公明もダメ。社民なんか論外」
「どこに入れてもダメだからね」
***
「どうせ選挙のためだけの主張でしょ?」
「アベノミクス? 恩恵はないね」
「円安? 株高? 庶民には全く関係ない」
「消費税? 増税前に高齢者からカネをまき上げるくらいのことしないと」
「民間資産ウン百兆円? それを消費しないから内需が盛り上がらないんだよ」
***
個人的には選挙に行かない人は政治に対して文句を言うべきではないと思っている。権利を行使してはじめて政治に対する意見が出来るのだ。人が政治に無関心なとき、政治は国民に対して仕返しをする。
「国があって民衆がいるのではない。民衆があって国があるのだ。だから選挙権を持つ国民は選挙によって意思表示をすべきであり、特定の政党による独断的政治は許してはいけない。均衡させて、緊張させて、が大事なのではないか」
誰かが言っていた意見だが、前半はともかく、後半はその通りだと思った。均衡させることこそ、選挙の役割ではないか、と。
人は誰でも言いなりになっている方がラクなのだ。だから勝手に決めてくれ的な風潮になる。極論すれば、政治がぐだぐだすると「強大な権力を与えて改革を推進すべき」とか主張する人も出てくる。
そう主張する人は歴史を振り返るべきだ。
「いつか来た道だ」と。
***
自分は、選挙、行きます。1票が政治を変えられるとは思わないけれど、先祖が苦労して手に入れた権利だ。ありがたく使わせていただく。