自称週末ファーマーの菜園ブログ

人と向き合う代わりに犬と野菜と向き合い、出不精な性格ながらも少しでも進化しようとささやかな努力を続ける中年の趣味のお話

「小学生の頃は出来たのに中学に上がって勉強ができなくなったのよ」とおっしゃる親御さんへ

先日、中学校へ進学した娘さんをもつ親御さんからボヤキを聞かされた。

「ウチの子ったら、小学生のときはそれなりに出来たのだけれど、中学に上がった途端勉強が分からないって言うのよ」

それを聞いた当ブログ管理人は

「(出た出た。こういう勘違いをする親子って多いんだから)あ、そう」と応じた。

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GWも終わり、そろそろ進学した先では勉強が本格化する頃だ。いい頃合なのでひとつ、エントリしてみたい。

まずは冒頭の「小学生のときはそれなりに出来た」であるが、まずここが一つ目の間違い。小学生の頃の“出来る”“出来ない”ってものほど当てにならないのはないよね。そもそも小学生の頃の勉強が出来るのは当たり前だという意識がない。特に少子化時代における小学校、それも本当に本当に小さな空間で「勉強が出来る」というのはある意味では当然。だから出来ないほうがマズいわけ。それなり、は出来ない部類。

とはいえ、べらぼうに出来る必要もなく、基本的な四則演算が出来れば十分であり、鶴亀算連立方程式)だの流水算(ニュートン算)だの出来る必要はまったくない。漢字の読み書きが出来ればまったく問題ない。でも最近は漢字が読めない、書けない児童生徒は多いと聞く。せめて読めるようにしないといけない。

だから小学生の頃に基本的な四則演算や漢字の読み書きが出来ていればそんなに目くじら立てる必要もないと考える。

 

で、二つ目の問題。「中学に上がった途端勉強が分からない」について。これがいわゆる中1ギャップだよね。生活面ではなく、学習面における中1ギャップ。ここはかなり重要なポイントだからね、と前置き。

そもそも小学生の頃の学習法と中学生のそれとは勉強に対するスタンスが異なる。分かりやすく言うと、勉強のやり方が異なる*1。まず教えるべきは中学生ならではの勉強のやり方なのだ。小学生の延長で勉強を考えている生徒に多い傾向にあり、中学から高校へ上がる生徒にも少なからずある傾向だといえる。

 

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ところで、生徒にとって次のどちらがいいか、お分かりになるだろうか?

①授業の内容がよく分かる    ②授業の内容が自力で解ける

ここに教員と生徒のギャップが存在する。教員は「よく分かってほしい」と思い、テストで点数が取れる取れないは二の次。これは何も教員が悪いというわけではない。そもそも公教育の世界では「勉強」とは言わず「学び」「学習」と言う。教員は生徒に対して理解を説いている。そういうことを是とする世界が教育だからだ。一方で、生徒側の視点で言えば、「授業は分かるけどテストで点数が取れない(=いい先生だけど・・・)」よりも「授業をまじめに受けていたらテストでも点数が取れる(=恐いんだけど、いい先生)」のほうが喜ばれるのは必然だ。なぜなら生徒にはその後の受験があるから。つまるところ、上述した②が好まれる傾向にあり、教育界では①が理想とされ、生徒の間(保護者も含まれる)では②が好まれるという傾向がある。

 

中学生は一部の生徒を除けば理解力にたいした差はない。理解力のある生徒は私立を考える。でもそれは理解力がないのが悪いと言っているのではない。ある意味では12~13歳程度の理解力なんてタカが知れている。言いたいことは理解力は成長に応じて逓増するものであり、その理解力を逓増させるためにもある一定期間はトレーニングする必要があるということだ。

たとえば、中学一年生で習うはずの「正負の数」の加減。

ここを中学の教員らしく、理屈で指導すると生徒の過半数はパニック状態だ。理屈での理解はやっているうちに分かってくるもの。理解力が不足している生徒に完全理解を求めるのは少々酷ってもん。生徒が求めているのは極論すれば「出来るようになる」ことであり、「分かる(でもテストはダメ)」ではないのだ。正負の数の加減が出来ないともうそれだけで数学は終わり。

<例> 次の四つを手順に従って解けるようにしましょう。

【手順】同符号の足し算は共通の符号をつけて足し算、

    異符号の足し算は絶対値の大きい項の符号をつけて引き算

 ① (+5)+(+6) ② (-5)+(-6) ③ (+5)+(-6) ④ (-6)+(+5)

これら足し算が出来れば引き算も出来るようになる。まずはトレーニングが必要だ。

 

三つ目のポイント。中学生の勉強は「予習よりも復習が大事」であり、それも「先取り学習を行い、学校の授業を復習とすることで理解を深める」ことが肝要だ。これは数学だけでなく全ての科目について同じことが言える。

なお、高校生になると話が違うから注意。高校は「予習も復習も大事」だ(笑)

あとはそれぞれの単元で躓くポイントはあるが、
中学の勉強に対する勉強のやり方がひとつ分かればあとはサクサクだ。
冒頭に挙げた「それなり」に出来る部類の生徒は、この勉強のやり方と
相応のトレーニングを積むことで人並み以上に出来るようになる。

四つ目のポイントは「素直」なことだね。
思春期だから難しいのはよく分かるけれど、素直に大人の話を聞くこと。
勉強は今やっておくほうがいい。大人になってからでも勉強は出来るけれど、
今から可能性の幅を狭めることはあまりよろしくない。

本当はもう少し書きたかったけれど、なんだか入力の処理がとてつもなく遅い。
トランザクションの処理が遅くなっているのか通信のせいなのか、はたまたハードのせいなのか分からない。

もちろん、冒頭の親御さんにはこう言っておいた。
「『やれば出来る』は今やらないことを正当化しているだけだから、やらせることはしっかりやらせるべき」と。

どこまで真意が伝わっただろうか。このブログ見てくれればいいのに(笑)

 

 

*1:でも本質は同じなんだけれど