自称週末ファーマーの菜園ブログ

人と向き合う代わりに犬と野菜と向き合い、出不精な性格ながらも少しでも進化しようとささやかな努力を続ける中年の趣味のお話。たまに出てくる仕事の話はストレス発散目的

第11話 企業経営理論④ リーダーシップ論 ~自称週末ファーマーの国家試験受験記~

本エントリは、著者が受験した国家試験に関する記事だ。いつものような家庭菜園的活動についての記述は一切ない。

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さて、組織論も中盤戦に差し掛かってきた。
今回の話題は「リーダーシップ論」だ。
はっきり言って、もっとも有能なリーダシップのあり方は何かと問われても分からないよね。そういったことを研究してきた人たちがいるから驚きだ。しかもクソ真面目に研究している人がいるんだもの。 

何はともあれ、さぁ始めよう。

バーナードさんという人がリーダーシップを定義。さらにリーダーシップには技術的側面と道徳的側面の二つの側面があると主張した。ここでいう技術的側面とは体力とかスキル、知識などにおける個人的優位性をいい、道徳的側面とは決断力、忍耐力、勇気などにおける個人的優位性をいい、これらは生まれながらにして持っている資質であって教育によって育てることが困難な側面だとした。
リーダーシップの源泉ともいうべきものを社会的勢力という。ここでは次の5つがあるとされる。①報酬勢力 ②強制勢力 ③正当勢力 ④準拠勢力 ⑤専門勢力  だ。①~③は組織から公式に与えられるものであり、④と⑤は個人が自分の努力や資質で獲得するものであるとされる。
また、セルズニックさんという人は制度的リーダーシップという考え方を示した。制度的リーダーシップとは、価値観を注入し組織全体を率いていくステーツマンシップであるとした。
また、コッターさんという人は、しばしば混同される「リーダーシップ」と「マネジメント」をそれぞれ定義した。「変革を推し進める機能」をリーダーシップ、「効率的・確実的に組織を運営する機能」をマネジメントだとした。これらは相互補完的だとしたのもコッターさんだ。

続いてはリーダーシップ論の変遷についてだ。
実際の優れた功績を残したリーダーを元に、そのパーソナリティとリーダーシップの相関を明らかにしようとしたのが資質特性論だ。しかし、パーソナリティを要素に分解することは難しく、科学的に証明される統一的な結論を導くことが出来なかったとされている。まー、そりゃそうだな。
資質がダメなら行動で、ということで、行動パターンから優れたリーダーはどんなものなのかを追究しようとしたのが行動類型論だ。
レビンさんという人はリーダーシップの類型を次の三つに分類した。 ①民主型  ②独裁型  ③放任型  結論としては民主型リーダーシップが最も優れているとした。
さらにオハイオ大学というところでリーダーシップに関する研究が行われたそうだ。で、最終的にリーダーシップ行動の大部分を実質的に説明するものとして「構造作り」と「配慮」という2つのカテゴリに絞り込んだ研究が行われたようだ。結論としては、「構造作り」と「配慮」の両方に対して高い程度を示すリーダーの下では、部下の業績と満足度が高いものとされた。ただし、例外も多く見られ、この研究が不完全であることが後に判明する。
ミシガン大学でも研究が行われ、リッカートという人が研究成果をまとめ上げた。リッカートという人は、「独善的専制型」「温情的専制型」「相談型」「参加型」の4つの組織類型を示し、最終的にリーダーシップ行動の側面として「従業員志向型」と「生産志向方」という2つにたどり着いたとされている。結論としては「参加型」の組織が理想系であり、このタイプの組織におけるリーダーシップの特性から、従業員志向のリーダーが好ましいとされた。
さらにはPM理論と呼ばれる理論も登場する。Pは目標達成機能、Mは集団維持機能であり、Pが構造作り、Mが配慮に対応する。結論はPもMもともに高いリーダーシップスタイルが有効であるとしている。
ブレークさんとムートンさんという人たちはマネジアルグリッドなるリーダーシップについての考えを披露している。これは「人への関心」と「生産への関心」の2つのスタイルに基づいて作られたものだ。タテヨコそれぞれ9つに分割し、結論を言えば、9-9型のチームマネジメント型が理想的なリーダーシップスタイルであるとしている。

このようにいろいろな行動類型論が示されたが、現実にはベストなリーダーシップスタイルが有効でないケースも存在した。これはリーダーの行動を分析するだけでなく、リーダーの置かれた状況にも目を向けようという状況適合論の展開につながったのである。いわゆるコンティンジェンシー理論の展開である。
フィードラーさんはコンティンジェンシー理論として、効果的な集団業績は、部下と接するときのスタイルと置かれている状況が適合しているかどうかにかかっていることを示した。フィードラーさんによれば、リーダーのスタイルとして「仕事中心型」であるか「従業員中心型」であるか、置かれた状況がリーダーと集団との人間関係の良好さ・仕事内容の明確化の程度・リーダーの権限の強さを挙げた。そしてフィードラーさんは仕事中心型スタイルは、3つの状況要因において、統制がしやすい場合と統制しにくい場合に効果的な業績をもたらし、従業員中心型スタイルでは、統制のしやすさが中程度のとき効果的な業績をもたらすと結論付けた。よくわかんねー。要するに、フィードラーさんはリーダーは自らのスタイルは変えることが出来ないことを前提に、状況が変わることで優れたリーダーシップが発揮できるとしているわけだ。
一方で、ハウスさんという人は「パス=ゴール理論」を唱えた。
有能なリーダーは従業員に対して道筋を明確に示して部下の目標達成を助け、障害物を少なくしようとするものであるとした。つまり、フィードラーさんとは異なり、状況に応じて自らのスタイルを変えることが出来るとしているのだ。ハウスさんは、リーダーは「部下の特徴」「仕事環境の特徴」という状況要因に対して、補完する役割を担うスタイルをとるべきだとしている。だから、タスクが明白であったり、部下の能力が高い場合には補完する必要がないとも述べている。

先ほど登場したハウスさんはパス=ゴール理論を唱えたが、このハウスさんはリーダーシップの源泉を個人的資質に求めているところが特徴的であり、これはカリスマ的リーダーシップ論とも呼ばれている。一方で、組織構造のコンティンジェンシー論で登場したバーンズさんという人は変革型リーダーシップ論を展開し、不透明な状況下でのリーダーの組織文化や戦略に対する変革力に着目。フォロワーとの関係性を重視し、積極的にフォロワーの考え方をリーダーが望む方向に入れ替えようとしていることが特徴的ある。バーンズさんも個人的な資質に注目した理論を展開している。

 

ここまでリーダーシップ論を見てきたが、なんだかいろんな人が研究してきたんだなぁと思うと恐れ入る。
リーダーシップのある人間というのはある意味では洗脳者だから人間の資質による部分が大きいのではないかとも思う。また行動類型論もまったく否定できるようなものでもなく、現実のような不確実性の高い今日にあってはコンティンジェンシー理論が主力になるのも無理はないのだろう。

最後に組織文化について。
強い組織文化の形成要因として次のようなものを挙げている。組織メンバーが物理的に近接していること。組織メンバー間の同質性が高い。相互依存関係がある、など。
アンゾフさんという人は組織文化・組織風土に関して「戦略は組織に従う」という命題を披露している。
組織文化は組織的な目標に対する一体感を高めると同時に、組織メンバーに対する同調の圧力(これを斉一性の圧力と呼んでいる)を通じて、思考様式の均質化や組織の硬直化をもたらすと指摘している。斉一性の圧力、あるよねー。
組織学習はシングルループ学習とダブルループ学習の二つ。
組織学習には制約もあって、個々人にある役割既定や手続きによって個人的行動が出来ないこともあり、個人が傍観者になる場合や個人レベルでの学習は行われても、それが組織の行動へ結びつかない場合、さらに個人の行動が組織に影響を与えても、個人自身が判然としない場合、組織学習に結びつかないなどである。
なお、組織ルーティンとは、組織の行動プログラムであり、公式の文書として制度化されている諸規則・手続き、組織構造、組織文化などの形態をとる。
組織は業績悪化などの危機的状況においても、組織変革に至らない場合がある。
変革にはコストを伴う。既存のままでいれば変革に必要なコストは不要だ。変革すれば埋没コストが伴う。これを理由に変革を忌み嫌う傾向がある。
また、組織自体が変革の必要性を認識することが出来ない可能性もある。これが既得権益だ。今で十分利潤を得ているのだからあえて現在のやり方よりも優れたものを探索しようという動機付けが失われてしまうのだ(これは有能性の罠と呼ばれている)。
さらにはたとえ業績が悪化しても既存の行為を継続使用という強い力が働くからという要因もある。つまり、過去の成功に固執していて環境の変化に対応しようとしなくなるということだ。
組織変革を断行する場合、経営者自らが組織変革の必要性を強く認識する必要がある。そこには多義の解釈が必要とされ、よりリッチな情報を獲得し、経営者は自身の責任でその意味するところを解釈しなければならないとされている。また多義の解釈をを導くにはスラックの活用が必要だし、フェイス to フェイスのコミュニケーションも必要だ。各メンバー間の情報共有も重要になってくるというわけだ。

ここまで組織について触れてきた。
次回からは労働法規関連の話題。