自称週末ファーマーの菜園ブログ

人と向き合う代わりに犬と野菜と向き合い、出不精な性格ながらも少しでも進化しようとささやかな努力を続ける中年の趣味のお話

第24話 企業経営理論⑩ プロモーション戦略 ~自称週末ファーマーの国家試験受験記~

よく続きますなぁ・・・。

・・・。

では、プロモーションミックスから始める。大別すると四つに分けることが出来る。
1) 広告
2) パブリシティ
3) 人的販売
4) 販売促進

まずは1)広告。
広告はどの手法に重点を置くかにより、プル戦略とプッシュ戦略に分類される。
プル戦略は、広告、パブリシティに重点をおいてプロモーションミックスを選択し、消費者の需要を促す戦略である。一方で、プッシュ戦略とは、人的販売、販売促進に重点を置いてプロモーションミックスを選択し、チャネルを通じて製品を売り込んでいく戦略である。

広告にはいくつか種類がある。製品そのものの購買を促す製品広告。企業の考え方を伝達し、そのイメージや名声を高める広告の企業広告。また製品のPLC別広告というのもあって、PLCの導入期に実施される広告として開拓的広告、PLCの成長期に実施される競争的広告、PLCの成熟期に実施される維持的広告とがある。

媒体別に見てみると、マスコミ広告というのがあって、新聞、雑誌、テレビ、ラジオのマスコミュニケーション手段を用いた広告。SP広告とは、マスコミ広告以外の手段、つまり、屋外広告、交通広告などを利用した広告である。たとえば、DMや折込チラシ。店頭販促物による広告のPOP広告などがそうだ。
その他の広告としては、ティーザー広告といって、商品を隠したり一部を小出しにするなどの方法で、消費者の好奇心を呼び起こし、関心や興味をひきつける予告編のような広告のこと。最近流行の意味不明な広告のことだ(笑)
また、アドバトリアル記事体広告とも呼ばれ、編集記事の中に広告を織り込む雑誌の広告形態
インフォマーシャルとは企業の商品を通常の宣伝よりも長い時間で、情報番組の形式で提供する広告である。BSでよくやる通販番組のイメージだろうか。

マーケティング的にはどの媒体を利用すれば費用対効果があるのだろうか、ということになるのだろうが、最近は特定の何ってのがないように思える。主要な媒体には当然にメリットデメリットが存在するし、消費者の購買行動とも関連するから一概に何がいいとはいえないのかもしれない。
一応、各媒体のよしあしをまとめる。

1) 新聞
 柔軟性、タイムリー、地域市場を十分にカバー、受容が広い、高い信頼性。広告が短命で再生の質が貧弱。
2) テレビ
 マスマーケットをカバー。露出ごとのコストが低い、映像と音声が使える。五感に訴える。製作コストが高い。露出が短命。視聴者の選択が困難。
3) DM
 対象の選択が可能。柔軟性アリ。同一媒体に競合広告がない(混雑度低い)。露出が高コスト、見てもらえるか分からない
4) ラジオ
 局地的な需要が多い。低コスト。地理的および人口動態的に選択可能。聴覚のみに訴える。露出が短命。注目度低い。「ながら」聴取。
5) 雑誌 
 地理的および人口動態的に選択が可能。長寿命。回覧する人多い。企画から実施までの期間長い。掲載位置の保証がない。
6) 屋外広告
 柔軟性アリ。再接触度高い。低コスト、低競争。位置の選択可能。制作面に限界。
7) インターネット
 対象の選択が可能。低コスト、即時性。対象が少ない。人口動態的に対象が偏る。比較的インパクトが弱い

次は広告の効果について。
効果を測定する段階には、接触効果、心理効果、売上効果の三つがある。
接触効果の測定はいくつかの指標がある。まずは視聴率。次に一定期間に広告を1回以上見た人の見込み視聴者に対する割合を表すリーチ」。また、一定期間に広告を見た人の述べ総数の見込視聴者に対する割合を表すGRP」という指標。一定期間に広告を見た平均回数を表すフリクエンシー(接触頻度)」という指標もある。
次に心理効果面だが、心理効果を測定知る尺度としては、ブランド知名度とブランド再生などがある。
ブランド再生とは、製品カテゴリの定時のみで特定ブランドが想起されることで、「朝食のシリアル食品といえば、K社である」といったようなことである。少なくともスピテキにはそうやって記述されていた。売上効果は、広告の実施により、当該製品の売上高がどの程度増加したかを測定すること。

なお、ここで、AIDMAモデルが登場する。
AIDMAモデルとは、消費者が広告などの刺激を受けてからその製品を購買するまでの心理的過程を段階的にとらえたモデル。それぞれの各段階を表す英語の頭文字をとってAIDMAとしている。
A Attention ある製品の存在に気づかせる
I Interest  その製品に興味を持たせる
D Desire  その製品を欲しいと思わせる
M Memory その製品を記憶にとどめさせる
A Action  その製品を購買させる

最近はAISASというモデルも登場してきている。

A Attention
I Interest
S Search (検索する)
A Action
S Share (シェアする)
といった購買意思決定プロセスがあるというが、いずれこのへんも変化してきたりするんだろうな。

次にパブリシティについて。
パブリシティとは、企業がマス媒体に対して、新製品情報などニュース素材を提供する活動をいう。企業は新製品情報を、ニュースレターなどの形で提供する。パブリシティは広告のような多くのコストを必要としないところに特徴があるが、あくまでもそのニュースを採用するかは報道機関側に裁量があるため、企業サイドのコントロールが及ばないデメリットが存在する。仮に報道機関に採用されればそのインパクトは大きく、消費者に大きなPRとなる。

人的販売。
古くからの販売方法みたいな感じがするけど・・・。
人的販売は顧客のニーズに合わせた対応が可能だし、口頭のプレゼンも可能で訴求効果が高い。一方で、情報の伝達可能な顧客数は限られ、活動の質が販売員の能力や人間性に依存する。

最後に販売促進。
販売促進は、消費者向け、流通業者向け、社内向けに分類できる。
消費者向けの販促にはいろんな種類が存在する。小売店の店頭などに展示・陳列する販促用広告物が「POP」。メーカーによる発表会や展示会。新製品のトライアル需要を促すために、製品見本を無料で提供する「サンプル提供」。製品・サービスの購入意欲を喚起したり、認知度を高める販促手段として用いられる景品類の「プレミアム」。宣伝のために会社名や商品名、ブランド名などを入れて配布する粗品の「ノベルティ」。
通販番組や、マグロの解体ショーなどで見られる「実演」。ポイントカードや会員カード、カタログやパンフレット。いろいろある。
流通業者向けの販促として、メーカーが流通業者に対して提供する「リベート」。製品の特別な品揃えや、広告を初めとする販売支援プログラムに参加した販売業者に対して支払われる援助金もしくは割戻しを「アローアンス」。販売店コンテストや販売店教育。派遣店員なども流通業者向けの販促だ。よくスーパーなどで試供品を作って試食させている光景を見かけるが、それが派遣店員なんだろうなと思った。
社内向けの販促はたいした内容のものがないので割愛。

最近は統合型マーケティングコミュニケーション(IMC)と呼ばれる手法も存在する。このIMCは自社とその製品に関するメッセージに明快さ、一貫性、説得力を与えるために、マスコミ広告、セールスプロモーション、ダイレクトマーケティング、PRなどを戦略的に統合するといった概念のこと。消費者の嗜好が多様化する中で、消費者の心理的側面を理解し、ブランド戦略とマーケティング戦略とを統合的に考えていこうとする手法だ。

プロモーション戦略の節、終わり。もう少し続く・・・。