自称週末ファーマーの菜園ブログ

人と向き合う代わりに犬と野菜と向き合い、出不精な性格ながらも少しでも進化しようとささやかな努力を続ける中年の趣味のお話

第25話 企業経営理論⑪ マーケティング論最終回 ~自称週末ファーマーの国家試験受験記~

たぶん、これが最後かなぁ・・・(やっと、だぁ)。

1990年代以降、従来型の「4P」型マーケティングの限界が指摘され、インタラクション(双方向相互作用)による社会との関係を重視する関係性マーケティングへのパラダイムシフトが起こりつつあるという。今回はそういった新しいマーケティングの概念について概観する。

まずは関係性マーケティング(リレーションシップマーケティング)から始める。
定義。企業と外部集団(顧客、取引先、投資家、社会など)との関係性に着目するマーケティング概念である。双方の信頼を基礎とするインタラクションが関係性構築の鍵となる。継続的な交換関係の維持という観点から、短期的な取引を超えて、長期的な相互利益と成長を目指すところに特徴がある。
このようなリレーションマーケティングが重視される背景として、次のようなことがあげられる。
80対20の法則(20%の顧客で80%の売上高を構成することが多いという傾向)に対する有効性の認識が高まり、20%を占める既存優良顧客の維持が重要な課題となっている点。PLCが短縮化し、顧客を自社製品にとどめるための方策が必要となっている点。製品の高度化に伴う、メンテナンスやアフターサービスの重要度が増し、顧客との継続的な関係を無視することができなくなってきている点。サービスマーケティングの拡大とともに、顧客とのリレーションシップがその成否を分けることになるという点。企業の製品の同質化や少子高齢化、市場の縮小など外部環境や内部環境がマーケティングのあり方を変化させるドライバーになっているという向きも少なくない。

ダイレクトマーケティング。
本来は、メーカーが流通業者を経由せずに直接消費者にコミュニケーションを行い、販売を実施していく手法のこと。
テレマーケティング
電話を利用したマーケティング活動。インバウンドとアウトバウンドがある。
インバウンドとは、顧客あるいは見込み客から電話で注文を受ける営業スタイルないしダイレクトマーケティングの進め方のこと。受注を受けるイメージだろうか。
アウトバウンドとは、顧客あるいは見込み客に対して電話を掛けてアプローチする営業スタイルないしテレマーケティングの進め方のこと。注文を取りにいくイメージか。

そこで、顧客との関係性を重視し、ロイヤルティ向上を目指す活動としてCRM( Customer Relationship Management )という手法が登場する。
ここの顧客のロイヤルティを長期的に高め、利益の改善を図るために、顧客の過去の行動を分析した上で、ロイヤルティ向上に有効な施策を計画し実行するマーケティング活動。顧客との長期的な関係構築の手段としては、顧客を層別に分類、ランク付けを行うことで層別に対応を変えていく層別対応と、顧客一人ひとりに対応を変えていく個別対応がある。
層別対応に用いられる手法として、RFM分析とFSPを紹介する。
<RFM分析>
 顧客を「R:Recency(最終購買日)」「F:Frequency(購買頻度)」「M:Monetary(購買金額)」という三つの観点でそれぞれポイントをつけ、その合計点により、顧客をランク付けして管理していく手法。ポイントが高い層には差別的に手厚いサービスを提供する。
<FSP(Frequent Shoppers Program)>
 高頻度で自店に来店する有料顧客に注目し、その階層に応じてプロモーションを展開するというもの。

続いては、ワントゥワンマーケティング。
顧客との対話により把握した個々の顧客の属性、ニーズや嗜好、購買履歴などに併せてマーケティングを展開することをいう。既存顧客の維持と顧客シェアの拡大(あるいは顧客生涯価値の最大化)を、情報技術を駆使したマスカスタマイゼーションと顧客との長期的な学習関係によって実現していこうとする考え方だ。総じてマスマーケティングとの違いに注意しよう。データベースマーケティングは割愛。

最後に、インターネットマーケティングについて。
インターネットマーケティングコミュニケーションの中心となるのは自社のホームページであるが、よほど目的がない限りそのホームページを訪れようとはしない。だから自社のホームページまで導く必要がある。その手段としてバナー広告などが利用される。
バナー広告は、細長い横断幕状の画像を用いた広告のこと。よく見かけるやつ。
それに対して、電子メールで広告が送られることもある。実は、電子メール広告は受け取る側の受諾がないと、電子メールを送ることは禁じられている。だから相手にいかに承諾してもらうかがキーであるといえる。このように顧客のパーミッション(承諾)に基づいた上でコミュニケーションを行うことにより、顧客との良好なリレーションシップを構築するマーケティング手法をパーミションマーケティングという。

最近はどんなTV広告よりも強力に情報を伝播させる手段としてSNSといったものがある。
特にSNSなどでの口コミは非常に宣伝効果が高いといえるだろう。同じ関心や興味を共有する人々が集まり、掲示板やチャットなどを利用して(掲示板とかチャットとかもう古くない?)情報交換やコミュニケーションを行うウェブサイトをコミュニティサイトと呼ぶ。

またネットショップはもうすでに市民権を得た感がある。ネットショップが集まる仮想商店街をバーチャルモール。ネットショップと実存店舗を組み合わせたビジネス展開をクリックアンドモルタルという。

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ここまでマーケティング分野を概観した。
企業経営理論は暗記科目のように見えなくもないが、覚えた知識を利用して解答するという傾向の強い科目であり、なかなか高得点が取れない科目でもある。
だが、マーケティング分野は比較的点数が取りやすいところでもあり、ここで安定的な点数をとることで合格点に達することが可能となると思う。
基本的な戦略としてはマーケティング分野を確実にゲットしながら経営戦略の部分を押さえることで確実に60点に乗せるといったものになろうか。

スピテキを読了した著者はスピ問に取り掛かることになる。その後過去問に着手したのだが、スピ問と過去問があまりにも違いすぎて面食らったことを覚えている。本試験ではギリギリで科目合格を果たすことが出来たのだから、当初考えた戦略は正しかったことになる。ただ、実際問題、もう少し点数が取れたのではないかとの思いがあることは確かだ。
次の試験では科目免除の申請をするつもりはないのでもう一度戦う。次こそ、少しでも貯金できるように確実に点数を積み上げていきたい。