「小さい秋」という童謡があったが、あれのどこに小さい秋があるのか不思議に思っていた。現在ではまじまじと歌詞を眺めたり歌ったりしないので気にはならない。
ふと、小さい秋があるのなら小さい春もあるのだろうかと思ってみた。小さい春って何だろう?
新芽?
風の匂い?
太陽の光?
花粉?
先日、自宅の南東の角地に球根植物の芽が出ているのを見つけた。やれやれ、芽が出てからずいぶん経っているじゃないかと思った。それほど最近は余裕のない生活をしているようだ。
チューリップのようだが、昨年から球根を掘り出していないので花が咲いてくれるかどうか心配だ。花の咲かないチューリップほど物寂しげなものはない。
これはおそらくムスカリかなんかだろう。ここにはムスカリの他にアネモネも植わっているはずなのだが、昨今の世帯主の体たらくによりアネモネは花も咲かせない。ささやかな抵抗なのだろう。
バラには新芽が付いているし、庭にはチューリップが芽生えた。
春は着実に近づいているのだ。
まだ冬は終わっていないけれど、一年って本当に駆け足で過ぎ去っていくようだ。