当菜園は緑肥による土作りを実践している、家庭菜園愛好家による、家庭菜園的活動家の菜園だ。だから一年を通じて何らかの緑肥栽培が行われている。
主として使っているのは『エンバク』であり、『クリムソンクローバー』である。夏季限定で使用するのは『ソルゴー』であり『セスバニア』である。いずれも目的別に使うことにしており、無目的に使われていない。
ご存知のとおり、イネ科緑肥であるエンバクは、粗大有機物としての腐植を期待して栽培する。有機物が分解する過程で微生物が多様化・活性化し、野菜が自活する本来の生命力に期待しつつ、健全な野菜を栽培したいとの思いからエンバクを栽培する。
またエンバクには地中のセンチュウ密度を低減させる働きもあり、どうしても秋冬野菜はアブラナ科栽培が多くなり連作が避けられない家庭菜園において、連作を可能とする農法としてエンバクの栽培を試みている。
マメ科のクリムソンクローバーは、マメ科らしく空気中の窒素成分を取り込んで根に蓄える根粒があり、これも土を肥えさせるために利用する。
一方でセスバニアは、クリムソンの根粒の数倍の窒素成分を蓄えるといわれているのだが、土を肥沃化させるというよりも硬盤層を破砕する目的で栽培する。
このように目的的に栽培することで効用も期待でき、市販されている動物性堆肥に頼ることなく、経済的にも安価で安心な家庭菜園的活動を行うことが適うわけだ。
これは菜園の市道沿いで栽培されているクリムソンクローバーだ。
クリムソンのいいところは、その花もよいのだが、枝葉の柔らかさにある。これらを花の咲く前に刈り込み、土に鋤きこむことで腐植となり、しかも枝葉が柔らかいことで分解も早い。この時期の腐植を形成する資材にはもってこいの緑肥。
今年は冬が寒かったので葉が傷んで見える。いくつかの株は枯れて見える。クリムソンを栽培するようになって、こんなに冬が寒かったのは初めてだからGW頃に咲くであろう真紅色の花がどうなるか気になるけれど。