当菜園では緑肥による土作りを励行している。
※この出だしで始まることがしばしばありますが、ご容赦のほど
なるべく化学肥料に頼らない、いや、有機肥料にも頼らず、無施肥でおいしい野菜を栽培してみたいという思いから始めた緑肥の活用。早くも5年以上が経つ。
圃場が大きいので、なにぶん一人で管理しきれないため、圃場を分割することで緑肥の間作を実現させている。
現在は春夏野菜専用エリアにエン麦が育っている。
ずいぶんもこもこしてきた。こういうのを見るとプラウ耕が出来たら、と思ってしまう。
雨の重みで倒伏している。肥料分(特にチッソ分)が多いと倒伏する傾向だと分かる。残留肥料分があったのかな? それともただ雨が重いのかな?
エン麦には地中のセンチュウ密度を低減してくれる働きがある。家庭菜園のレベルだとどうしても連作は必至となる。だから連作障害を低減させる目的でエン麦を活用する。センチュウ密度の低減と、粗大有機物の確保が同時に行えるのだから一石二鳥もいいところだ。
エン麦はイネ科。
イネ科緑肥は繊維質。緑肥は土に鋤き込むことで腐熟し、腐植となる。イネ科は腐植になるとネットリ感を持つようになるから地中の水分の自動調整機能も持つことになり、高機能な緑肥だと思う。
一方、市道側に播種した、景観用のクリムソンクローバーの様子。播種した時期、播種後の雨量、天候、気温のすべてがクリムソンクローバーに合致したものだったのだろう。史上最高によい成育ぶりだ。
なんとも1枚1枚がハート形した葉がいいよね。
クリムソンクローバーはマメ科の緑肥で冬越しをする。初秋に播種し、初夏に枯れる、一年草だ。GW頃には深紅色の花を咲かせる。枝葉は柔らかく、鋤き込みやすい。分解も早く、根粒によるチッソ分の吸収もよい。
こぼれたタネで発芽したヘアリーベッチ。これも緑肥だ。マメ科。
こちらは少々扱いが難しく、放置してしまうと野生化する。ベッチは他の雑草さんを排除する働きをもつらしく、それは地を這うように伸びていく枝葉に要因があるんだろうけれど、果樹栽培の樹木の下に播種することいいらしいことが知られている。
ベッチについては積極的に播種・栽培することは考えていないから播種していない。数年前に栽培したベッチのこぼれ種が発芽したようだ。
マメ科緑肥は根粒による働きで空気中のチッソ分を取り込んで地中に還すという働きを持っている。クリムソンクローバーもベッチもマメ科だから根粒を持つのだが、もっと強烈な根粒を持つ緑肥がある。セスバニアだ。
今回、当菜園ではセスバニアを積極的に栽培することをしなかった。セスバニアは根が強烈なので耕盤の破砕目的で使用することが多い。今シーズンは管理の時間がとれそうになかったもんだから栽培を見送ったが、来シーズン以降、栽培体系に組み込んでみたい。