当事者にとってみれば「こんなこと勘弁してくれ」と思う一方で、第三者的には「最高のエンタメだ」と思わせるような出来事は数多存在する。
例えばこうだ。
筆者はたまたま野球経験者なのでこう例えを用いることを許して欲しい。
9回ツーアウトまで誰一人として出塁を許していない状況だったのに、最後の最後で打たれたヒットによって敗北する、
とか
サッカーで例えるなら、後半45分まで3-0で勝っていたのにロスタイムで4点取られて敗れる、
とか
マラソンで例えるなら、40km地点まで独走状態だったのに残り2kmで走れなくなり後続のランナーに抜かされる、
とか、
そんなことだ。
見ている方は最高なのだが、当事者としてはいたたまれない。決して油断していたわけではないのだが最後の最後で大どんでん返しが待っているパターンだ。エンタメとしては最高なストーリーであるに違いない。
しかし、これが家庭菜園で起こったらどうだろうか?
例えばこうだ。
定植直後から順調だと思われていたタマネギが収穫間際になってとう立ちが見られてほぼほぼ品質的に無価値になってしまう、
と言うものだ。なんと悲劇的なことであろうか。
***
5月最終日曜日の早朝。
春夏野菜専用エリアの様子だ。
右下に見えるのがタマネギの畝だが、
そろそろ収穫時期を迎えても良いのだがこの有様だ。
おおよそ半数程度にとう立ちの兆候が見られるのだ。これじゃ収穫の楽しみも半減だな。
タマネギは
このように葉っぱが倒伏すると収穫適期のサインなのだが多くの株が倒伏していない。それはつまりとう立ちしているために倒れようがないのだ。
ムムム、せっかく今週の献立にカレーを入れてあるのにな。
さしあたり収穫できそうなものを選び、いくつか収穫してみた。
え?
200株植えてこれだけ?
菜園主はがっかりした。
これらのタマネギは、今週のカレーのために大事に箱入り娘にして持ち帰った。
やれやれだぜ。
順調だと思っていたタマネギにこんな落とし穴があるなんてな。
でもとう立ちしたタマネギは食べられないのだろうか? いや、食べてやるのだ!