自称週末ファーマーの菜園ブログ

人と向き合う代わりに犬と野菜と向き合い、出不精な性格ながらも少しでも進化しようとささやかな努力を続ける中年の趣味のお話

第7話 財務会計② アカウンティング ~自称週末ファーマーの国家試験受験記~

受験しようとしている国家試験において、一番ネックになるであろうと予測した科目がこの財務会計だ。でもファイナンスの分野はスピテキレベルであればとても楽しんで読むことが出来た。問題は、と著者は考える。問題は後半の簿記論なんだよ、と。スピテキを読破した感想を先に述べると簿記論はスピテキを読んだだけではさっぱり分からなかった。やはり手を動かすことが重要なのだ。だから理解から体得、ではなく、体得してから理解が早道なんではないかと思い至ったわけだ。
さしあたり、本エントリではスピテキを読んだ際の感想を中心に書いているから、それに忠実に記してみたい。
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さて、簿記に入った。
率直に言おう。学習前の自分には「借方」とか「貸方」などの簿記特有の表現など知る由もなく、すべてが初見であった。学習する時分になって少しだけ逡巡したのを覚えている。この自分に理解できるだろうか、と。矛盾するようではあるが、逆にこうも思っていた。全てが初めてのことだから新鮮味があってよいのではないか、と。財務会計の学習にかけられる物理的な時間はおよそ一年ほど。さすがに一年もあれば、という思いもあった。苦手意識を持ちながらも意外と前向きに着手し始めたことを覚えている。だから最初は簿記3級からチャレンジしようと思ったほどだ。結果的には簿記3級取得のための学習はしなかった。簿記は財務諸表をゼロから作れるようになるのが目的であるし、診断士試験の場合は財務諸表が読み取れるようになることが目的だからだ。だが、結果として、簿記のアカウンテンィグ分野では「知っている」「知らない」の論点、1マークで泣くこととなった。
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まずは借方と貸方。簿記特有の表現らしいが・・・(泣) BS項目の資産、PL項目の費用は借方へ記入。BS項目の負債と純資産、PL項目の収益は貸方に記入。こうやって分類するというルールだそうだ。そうか、ルールね。それぞれの項目が増加のとき、減少のときで記入するところが逆になるんだって。これもルールだ。
次に仕訳とかいう言葉が出てきた。1年ルールがあり、一会計年度で決算手続きをするんだってさ。これくらいは、ねぇ。

で、期中には期中の手続きがあって、その手続きは仕訳と呼ばれる作業をすることで取引結果をまとめていくらしい。数々の取引は仕訳帳と呼ばれる主要簿に記入され、必要があれば補助簿と呼ばれる、たとえば、仕訳先元帳とか得意先元帳などに記入される。仕訳帳から総勘定元帳へ集約される。決算に向けて試算表などが作成される流れらしい。決算手続きもいろんなプロセスがあるようだ。試算表、棚卸表、積算表、決算整理仕訳などがあり、決算本手続きに至る。決算整理仕訳や各帳簿の締め切り、繰越試算表などの作成があるようだ。
何はともあれ、まずはBSにどんな項目があるか分からないのでスピテキに載っていた参考例をPCで写経し、それをプリントアウトして仕事場のデスクに目立たないように貼り付けておいた。暇さえあればそれを眺めた。
次に仕訳の原則を学んだ。これはいろんな資料を紐解いては実際に手を動かしながらやってみた。たとえば、「現金100を当座預金に預け入れた」とあれば、実際の仕訳は、「当座預金(資産の増)100/現金(資産の減)100」というふうに。実際にやってみるとそんなに難しくないことが分かった。理解よりも体得、と言い聞かせてやっていたからかもしれない。
一連の仕訳の例をやっつけ、WEBで簿記3級レベルのページを見つけては片っ端からやっつけたあと、スピテキの続きに入った。次は転記であった。これもルールを知れば怖くない。だからこれも片っ端からやっつけていった。続いて試算表。これも難なくクリアした。まだ簿記特有の表現やBSやPLとの関連性に紐づいた理解などはゼロだったが、まずは体得と言い聞かせて手を動かすことに注力した。

次に期中の取引の具体的な例を見ながら、その処理を見ていった。掛け、つまりツケなのね。返品や値引き、割引の違いや前受金、前渡金などが出てきた。手形取引についても出ていたが、スピテキの手形取引の記述は分かりにくい。とうとうスピテキによる体得と理解を断念してしまったほどだ。さらに続けると貸倒の処理が出てきた。ここでは貸倒れ単体での出題よりは(後に出てくる)精算表での出題が考えられたので、正確な語句の定義などを除けばそのままスルーしてしまっている。
次は決算整理についてだ。まずは決算整理というものが何なのかを見てみた。それだけだった。次に減価償却費の扱いだった。これも会社でよく見かける言葉だったし、本学習の中で正しい理解につながったこともあったし、かなり有効だった。財務でも出てきたから理解は早かった。ここでさっきの貸倒れについてが出てきている。貸倒引当金の処理だったが、これも精算表のなかで問われることが多いのだろう。この引当金については退職給付引当金や賞与引当金などスピテキでは不足している論点でもあった。さらには売上原価の算定ということで、かなりややこしい論点に入りつつあった。期末の製品在庫高を仕入勘定に振り替えたり繰越勘定に振り替えたり。精算表の穴埋めをしたり、結構パズル感覚で楽しくやっていた。体得で始めたことなので、ディープなところにいけばいくほど理解が深まるのを感じた。自分が進化しているような気もしていた。もちろん、それはスピテキレベルでならという条件付であり、分記法だの三分法だの三伝票制だの五伝票制だのあることまでアタマに入れていなかった。経過勘定という項目に入ったが、特に難しいなとは思わなかった。スピテキの続きは精算表だった。テキストを読んだだけでは分からない。ここはスピ問を利用して体得していったことは言うまでもない。繰延資産は覚えるだけだろうし、どんなイメージなのかがビジュアルで分かればという思いで読んでいた。

次の論点はスピテキ読もうがスピ問やろうがイマイチ理解度が上がらなかった論点だ。それはCF計算書についてだった。重要な論点だということは分かっていながら体得だけで本試験を迎えてしまったのだ。結果的には一次試験には出題はなかったのだが、それでも二次試験には必須の論点だから必ず押さえなくてはならない。ここはこの一年で理解を深めるところなのだろう。課題が見えただけでも本エントリを書いている意味があるというものだ。
次は原価計算制度についてだった。仕事柄原価については少々の蓄えがあったが、体系的に学べたことは貴重なことであった。俗に言う工業簿記のレベルであり、2級レベルの論点だ。原価の分類から始まって、基本的な原価計算までが範囲となる。計算の仕方を忘れなければOKだった。事実、模試も本試験も原価計算に関する問題はパーフェクトだった。
最後に嫌がらせのDランク、Eランクの会計規則だ。知っている、知らないで点数が取れる取れないとなる論点だ。もう鉛筆ころがしだよね。収益・費用の認識基準、金融商品に関する会計基準、固定資産の減損に係る会計基準、資産除去債務に関する会計基準、分配可能額の計算、リース取引に関する会計基準税効果会計に係る会計基準、連結CF計算書等の作成基準、工事契約に関する会計基準、連結財務諸表に関する会計基準棚卸資産の評価に関する会計基準、とまぁいろいろだ。これは本試験に出題があったもんだから追記した内容だと思われるが、会計規則の全てを網羅するのは不可能に近い。過去出題があった論点のうち、分配可能額の計算は法務でも扱いはあるだろうし、株主資本等変動報告書がらみの出題も考えられるだろうし、単一論点だけでなく、応用が利く論点を中心にやっていった。
もちろん、スピテキを一読しただけではそんなことは理解できないし、日本語を読むことだけで精一杯だった。
「スピ問様」にお願いしようか、とさえ思った。
最後まで、体得の次に理解、と言い聞かせて体で覚えさせるという学習をしていった。
結果としてそれは自分には効果のあった学習方法であった。

スピテキを通読した後でスピ問に入ったのだが、当然に出だしの第一問から躓くことになった。予想通りだった。

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結果的に本試験では1マークに泣いた。手ごたえとしては8割とれた感触を得ていた。ところが、会計分野はともかく、得意にしていた(と思い込んでいた)財務分野のうち、ポートフォリオ理論で4連続ミスをやらかしてしまったのだ。帰りの電車で痛恨のミスに忸怩たる思いがした。財務がカンタンな年で6割を取れないなんてこれじゃ合格できないのではないかとさえ思った。実力不足なんだと理解した。

次回以降、スピ問に対処しているときの苦労を書き記すことにする。