今の季節、秋季高校野球がたけなわだ。もちろん北海道や東京を除いて、各地区大会を戦っているわけだが、この成績は来春のセンバツの選考に大きく影響するからセンバツをかけた戦いということにもなる。当ブログ管理人が住む埼玉県の代表は浦和学院と川越東。両校とも初戦を突破し、本日準々決勝が行われる。この準々決勝に勝ち上がり、ベスト4に入ったりするとセンバツが見えてくる。センバツ高校野球は文字通り、選抜されるからベスト4に入ればいいというものでもないけれど、かなり有力になるわけだ。準決勝でコールド大敗したり、高校生らしくないプレーをしたりすると選考に漏れたりする。確か川越東は開催県千葉の一位校の木更津総合と、浦学は山梨一位校の東海大甲府とベスト4をかけた戦いになる。
関東地区は開催県の一位校は「スーパーシード」と言われ、一回勝つとベスト4に入れるという仕組みになっている。全国屈指の激戦区だけあって、このスーパーシードに入るために開催県の高校は何が何でも一位を狙いにくるのだ。一位と二位では大きな差、というのがこういうところでも表れている。しかしながら開催県の一位校というプレッシャーのためか、あっさりと敗退するケースも枚挙にいとまがない。*1ちなみに昨年は茨城県開催で一位校の霞ヶ浦、二年前の群馬県開催の一位校の前橋育英、三年前の山梨県開催の一位校の東海大甲府は初戦で敗退している。開催県の一位校がスーパーシードで勝ったのは平成22年の埼玉県開催の浦和学院。*2さらにいえば、平成21年は千葉県開催だが、一位校の千葉商大付は再試合の末、敗れている。平成20年は開催県の一位校の慶応義塾が優勝しているし、19年は開催県の一位校の宇都宮南、18年は茨城県開催で一位校明秀日立がいずれも初戦で敗退。17年には群馬県開催で一位校の高崎商が惜しくも準優勝。16年は山梨県開催で一位校甲府工は初戦を突破したものの、準決勝で優勝した東海大相模に敗れている。15年は埼玉県開催で一位校春日部共栄は初戦で敗退している。*3
26年 千葉開催 一位校 木更津総合 ??
25年 茨城開催 一位校 霞ヶ浦 初戦敗退 優勝校:白鴎大足利
24年 群馬開催 一位校 前橋育英 初戦敗退 優勝校:浦和学院
23年 山梨開催 一位校 東海大甲府 初戦敗退 優勝校:浦和学院
22年 埼玉開催 一位校 浦和学院 優勝
21年 千葉開催 一位校 千葉商大付 初戦敗退 優勝校:東海大相模
20年 神奈川開催 一位校 慶応義塾 優勝
19年 栃木開催 一位校 宇都宮南 初戦敗退 優勝校:横浜
18年 茨城開催 一位校 明秀日立 初戦敗退 優勝校:千葉経大付
17年 群馬開催 一位校 高崎商 準優勝 優勝校:成田
16年 山梨開催 一位校 甲府工 ベスト4 優勝校:東海大相模
15年 埼玉開催 一位校 春日部共栄 初戦敗退 優勝校:土浦湖北
過去11年間で開催県一位校の初戦敗退率が63.6%、開催県の一位校は4割弱しか初戦を突破出来ないということになる。これが過去20年ではどうなるかというと、
14年 神奈川開催 一位校 横浜 優勝
13年 栃木開催 一位校 宇都宮工 優勝
12年 茨城開催 一位校 常総学院 優勝
11年 千葉開催 一位校 拓大紅陵 初戦敗退 優勝校:東海大相模
10年 群馬開催 一位校 桐生第一 初戦敗退 優勝校:市川*4
9年 神奈川開催 一位校 横浜 優勝
8年 山梨開催 一位校 日大明誠 ベスト4 優勝校:春日部共栄
7年 埼玉開催 一位校 浦和学院 優勝
6年 栃木開催 一位校 作新学院 初戦敗退 優勝校:桐蔭学園
過去20年間では初戦敗退率=50%。当然だが、初戦突破率=50%。開催県一位校優勝率=35%となっている。
開催県は持ち回りだから、その年の勢力図みたいなものを考慮しないので開催県だからといってホームとかアウェイとか関係なさそうだ。
5年 茨城開催 一位校 土浦日大 初戦敗退 優勝校:山梨学院大付
4年 千葉開催 一位校 暁星国際 初戦敗退 優勝校:常総学院
3年 群馬開催 一位校 東京農大二 ベスト4 優勝校:東海大相模
2年 山梨開催 一位校 市川 優勝
元年 埼玉開催 一位校 伊奈学園 ベスト4 優勝校:霞ヶ浦
平成に入ってからの25年間では初戦敗退率=48%であり、開催県一位校優勝率=32%だということになる。要するに、スーパーシードは一回勝てばよいというプレッシャーから初戦で力を出し切れずに敗退するケースも多い一方で、30%程度の確率で優勝出来る可能性もあるということになる。試合数も三試合で済むし、最大でも三連戦だから日程的にもスーパーなはず。開催一位校以外は日程的に不利だが、一試合経験しているチームと対戦するから経験値的には有利。開催一位校に優勝が多いのは日程的メリットの影響だろうか? 初戦で敗退するのは、開催一位校であり、かつ一回勝てばセンバツが見えてくるというプレッシャーゆえか。
その年の地区大会優勝校も並べたみたが、過去25年間で群馬県の優勝がないのが不思議だ。平成に入って夏の甲子園では二度も全国優勝しているのにね。栃木は二回。茨城と埼玉が五回ずつ。千葉は一回。山梨は三回。さすが神奈川は図抜けている。優勝回数は九回。優勝確率35%だって。神奈川すごいね。
それと平成になってから関東地区大会の連覇は浦和学院のみで、しかも三連覇。平成22年から秋季関東地区大会では負けたことがない。また、全国各地区の優勝校が翌年のセンバツで優勝するとは限らないし、明治神宮大会の優勝校がセンバツ優勝するとは限らない。なかなかどうして難しい。