自称週末ファーマーの菜園ブログ

人と向き合う代わりに犬と野菜と向き合い、出不精な性格ながらも少しでも進化しようとささやかな努力を続ける中年の趣味のお話

ボカシ肥が完成。追肥に使用する

当菜園で使用する肥料は主には有機100%肥料だ。もちろん化成肥料を使用することもあるが滅多に使用することはない。別に有機栽培に拘っているわけでもない。有機で栽培した野菜は健康で安心だ、と言うつもりもない。

しかも当菜園は基本的には無農薬栽培だ。「基本的には」と書いたのは、秋冬野菜の定植時のみ農薬を使用するからだ。ネキリムシ対策の農薬を使用するだけ。播種定植が完了すればあとは無農薬を続ける。別に無農薬栽培に拘っているわけではない。いつ何時農薬を使用したかが把握出来れば農薬の使用もOKだと思っている。問題は、市場に流通する野菜の農薬使用履歴が一切分からないことにある。

だから化成肥料だって農薬だっていつ何時使用したかトレーサビリティが把握出来れば(積極的にと言わないまでも)使用してしかるべきなのだ。

だいたいは有機無農薬栽培をやろうとすると失敗に終わる例は枚挙にいとまがない。有機だから野菜がべらぼうにおいしいわけでもない*1

また、堆肥をぎゃんぎゃん投入すれば有機栽培だ、と勘違いしている人も多い。市販の堆肥は安かろう悪かろうという代物が多いのは周知の事実だ。だからというわけでもないけれど、当菜園では堆肥を内製している。落ち葉・イネワラ・モミガラの三タイプだ。とはいえ、市販の堆肥を投入することもあるが、そのときは結構高価な堆肥を投入する。ちなみに2014シーズンは圃場に動物性堆肥を投入していない。本秋作で試験的に内製している落ち葉堆肥を使用している。

さらに言うと、圃場にミミズが存在する畑はよい畑だと声高に言い騒ぐ人もいる。事実、当菜園にも圃場にミミズが存在することは確認出来ている。でも、ミミズは未熟な有機物を好む小動物であり、そのミミズが圃場にいるということは土の中に未熟な有機物が存在しているという証左にもある。当然未熟な有機物は分解の過程でガスを発生させるから作物に影響を与えてしまう。そういう意味ではミミズがいる畑は問題があると言えそうだ。当菜園は緑肥を地中に鋤き込み、地力向上を目指しているので分解されつつある有機物目当てにミミズが発生しているのではないかと推察は可能だ。むろん、ミミズだけでなく、未熟な有機物目当てにコガネムシの幼虫もわんさかいるのだ。

 

有機中心で栽培を継続していると生物多様性が見られるようになる。地上にいる小動物を始めとして微生物に至るまでより自然に近い形で生物のコロニーが形成されることになる。だから当菜園が目指すのはこの生物多様性なのだ。そういう意味で極力化成肥料は使わない、農薬も極力使用しないということを実践しているだけなのだ。健全な環境下なら虫除けネットでさえ不要になるかもしれない。目指すところはそういうことだ。

 

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当菜園は一昨年冬からボカシ肥を内省することにしている。夏季休暇中に仕込んだEM菌を種菌としたボカシが完成した。相変わらずよい香りがする。フルーティーな匂いだ。

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表面の白いカビは混ぜ込んでしまう。もう少しカビが広がるかなと思っていたがこの程度だった。まだ醗酵が不足しているのだろうか? 塊がないように手の平ですりつぶしながら細かくした。

 

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これらは秋冬野菜の追肥に使用することとなる。もうそろそろ新米が出回る頃だ。そうすると米ぬかには不自由しなくなるので、いろんな種菌を使用したボカシを内省することが可能だ。オススメはカブトムシの幼虫の糞を種菌にしたボカシ。

作成することに相成ったら、当ブログでも紹介する予定だ。

 

 

*1:有機は野菜がおいしくなると喧伝する雑誌はあります。同時に有機だからおいしいという評価に警鐘を鳴らす人もいることも事実