その前の週に確認した時には問題ないように思えた。
だが実際は違った。
最悪の事態に、予想し得たはずなのに、ウチだけは大丈夫だという油断からか、
想定とは異なる事態が待ち受けていた。
キャベツ。
がーん。
少し考えれば容易に想像できたはず。
農薬も止めた。
ネットもかけない。
高温。
梅雨に向かう、この時期、食べられないはずがない。
がーん。
ネットをかけずに栽培したことはあったが、こんなにひどい状態になったのは初めてだった。
やれやれ、うまくいかないときは何をしてもうまくいかないなぁ。
「キャベツがダメになってしまった」と菜園主。
「 」と細君。
掃除機の音にかき消されて聞こえなかった。
「 」と細君。
「 」と続けた。
「うん、わかった」と世帯主。
「アオムシも一緒に千切りにするわけにはいかないわね」
少なくともそう言ったように聞こえた。
翌日、スーパーでキャベツを購入したのは言うまでもない。