何度も言うようだけれど、当菜園は緑肥による土作りを励行している。さらに自家製堆肥を活用して土作りをやりたいという希望もあって、植物性堆肥の内製を進めている。植物性堆肥とはイネワラ堆肥と落ち葉堆肥のことで、いずれもカブトムシさんの幼虫が排出する排泄物で堆肥化を進行させ、有用菌を増殖させることで多様な微生物が生息する環境を作りたいというコンセプトの菜園を運営したいと思っている。
緑肥による土作りは簡単なものではない。
緑肥のタネを播き、それを粗大有機物化させた後で鋤き込むのだ。これが体力的に厳しい作業なのだ。体力と時間が許せば人力で鋤き込み作業をしたいと思っている。鋤き込み作業を通じて土と真摯に向き合うことで理想の土にしたい思っているからだ。
緑肥を鋤き込むことは、すなわち腐植を作り出すことである。
腐植を作り出すことで微生物を活性化させる。それが連作障害や病害虫を軽減させると思って疑わない。ある意味では人間こそが連作障害を発生させ、病害虫を誘発する栽培手法で野菜作りをしていると思っている。だからなるべく自然のパワーによってそういった障害を回避したいというところが緑肥による土作りのポイントなのだ。
市道側の景観用エリアではクリムソンクローバーが育っている。ここまで大きくなっているからGWの頃、深紅色の花をきれいに咲かせてくれるに違いない。
降霜によっていくらか葉が傷んでいるけれども毎年のことだ。
クリムソンクローバーはマメ科の緑肥作物で晩夏に播種し、初夏に枯れる。花芽にアブラムシが付きやすいためか、てんとう虫がたくさん襲来する。クリムソンクローバーの深紅色の花にはミツバチがたくさんやってくる。どうせならハチミツをくれればいいのに、彼らは花期が終わるとせっせと帰ってしまう。
枝葉が柔らかいクリムソンクローバーは鋤き込むのがラクチンな緑肥だ。腐熟も早いし、マメ科だから根粒によってチッソ分が土に供給される。肥沃な土を作り出すにはもってこいの緑肥だ。
三年連続サツマイモを栽培しているエリアにもクリムソンクローバーを播種した。
市道側と比べて2ヶ月遅れで播種したので景観用のそれとずいぶんと大きさが異なる。冬の間枯れてしまうのではないかと心配したが、暖冬だったためか枯れずにここまで育ってくれた。
景観用のクリムソンクローバーと比べたら個体の大きさが小さいからキレイな花を咲かせることはできないだろうけれど、仕方がない。秋冬野菜を栽培するまでにある程度の粗大有機物を鋤き込めればいいと割り切っている。